メンヘラとサンボ山口さん

好きな人ができた。おとといの前の日に。

2次元オタクな私には珍しく、架空のナニカではなくて、実在する3次元の人。

 

タイトルからしてわかる通り、私は所謂メンヘラであるし、メンタルがヘラっている時にはガチで泣きじゃくり、午前3時にどうしようもないと言いながら、翌日会議のある好きだった人に電話をかけていた、そんな底辺も底辺で、迷惑をかけまくってきた人間だ。

そんなメンヘラが他人を好きになるという行為自体、すでに迷惑をかけている。

わかる。私に好かれるのって迷惑だと思う。私が他人でも好かれたくない。わかる。

だから、この数年は好きな人を作って来なかったし、斜に構えて、ちゃんと人を見ないようにしてきた。性欲が透けて見えた異性には興味も湧かなかった。画面を通してみるくらいが、何事もちょうどよかった。

飲み屋で言い寄ってくる人間が煩わしくて、誰かの恋愛の話を聞くことに徹していた。こっちみんなカスとか思ってた。

一応自分なりに、迷惑をかけずに生きていこうと思っていたのだ。

 

だというのに。

 

おとといの前の日。

つまり、2019年8月4日の日曜日。

午前2時に最寄駅で飲み屋で知り合った知人たちと待ち合わせて、総勢10人でよっこらえっこら、茨城県ひたちなか市に遊びに行った。

ロッキンジャパンフェス。大型野外ロックフェス。今年は20周年らしかった。

そんなことも当日、そこに着くまで知らなくて、最近は洋楽ばっかり聞いている人間になっていた。

今日でるバンドも、正直知ってる人たちは一番大きいステージにしか出ないな、なんて思ってたし、そもそも後ろの方でぼーっと聞けたら良いかなとか思ってた。顔が見られないかも、とかね。

 

これでも中学のころは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONELLEGARDENstraightenerHi-STANDARDBEAT CRUSADERSACIDMAN…挙げればきりがないけど、たくさん聞いていたし、例に漏れず細美武士めちゃくちゃ好きだったし、the Beatlesよりもエルレで英語勉強した勢だったし、ハルシュタットの森ってなんやねんと思って大木伸夫の声で世界を旅した。

今も英語なんてゴミくらいの能力だけど、カラオケ行ったらエルレの曲は別に歌詞見なくても歌える。

その程度の、かつては知ってたけど、今は知らない、みたいな斜に構えただっっさい大人になってた。

 

そんな人間が、誘われたし、折角だし、と思ってひと夏の一番大きいイベントとして参加した。その結果、大変ご迷惑であろうが、好きになってしまった。

困った。ごめんなさいって感じです。

申し訳ない。

地に埋まる勢いで生きています。今後めちゃくちゃCD買います。

だから客でいることは許して。

すみません、サンボマスターの山口さん。

 

 

当日は一番大きいGRASS STAGEを13時から見に行って、ラストまで後ろの方で揺れてる勢だった。あっつーって思いながら揺れて、04 limited sazabysで水が撒かれて、1曲しかしらなかったけど、MC面白いな、猫飼ってるんですね。猫長生きしてくださいね、うちも飼ってます。長生きしてほしい。なんて考えながら、水を飲み飲み芝生の上で揺れていた。

そのバンドがフォーリミという愛称で呼ばれていることも、恥ずかしながら帰宅後に知った。でもバンドの名前は覚えました…

 

そしてそのあと、サンボマスターだな、知ってる曲やると良いななんて思いながら芝生の照り返しに耐えて、サンボマスターが…確か14時過ぎだったかな?

1曲目に「世界を変えさせておくれよ」で、あーーーめっちゃ知ってるーーーーーー好きーーーーーーー(オタク)ってなりながら芝生から立ち上がって(大変失礼ながら体力がカスカスなので休憩してたし、なんならゆるく座ったまま見ようかと思ってた)、知ってるところだけ腕あげて一緒に合唱した。

そのあとかな、ちょっともう記憶がおぼろげなんだけど、MCかな?曲中かな?山口さんがドラムの方(木内さん)が誕生日だから、特別にしようなーって。そんなことをたくさん言って、ハピバコールもした。

それで、まあ…その、MCがとてもとてもメンヘラにはさあ…もうなんか…泣いた…。サンボマスターのファンには当たり前のコメントだったのかも。山口さんは毎回そう言うふうに、色々なライブで人の命を救ってるのかも。いや待って、それは嫉妬で病む。冗談です。

MCや、バンドマンが言葉にしたことと言うのは、本来こういった、不認可のところで文字に起こされることではないと思う。

そして、その空気を共有している人だけの一瞬のものだとも思う。

何より、その場の熱があってこその言葉だと、そういうの重々承知。

だからバンドマンのツイッターではそういった言葉は書かれていないし、10-FEETのタクマなんてマジで今年のロッキンのあとは、感謝の言葉だけだった。(ツイッターのチェックくらいはメンヘラではないと思うから許してほしい)

 

でもね、惚れた言葉はちょっと記録的な意味を込めて書かせてほしい。

「令和まで生き残ってくれてありがとな」

「令和まで生き残れなかったやつも、いる中で、」

「勝手に死ぬな」

「生きろ」

「死ぬな」

「愛と平和だ、ロックンロール」
(記憶が曖昧なので盛大な意訳)(正しくは来月のロキノンでも読んでくれ)

 

はい、号泣。周りみんなタオルで顔の汗拭いてるし泣いてもバレねーわと思ってね、泣いた。

次。

 

「6万人(会場のオーディエンスの最大収容人数)に一人一人愛してるって言いに来たなんて生ぬるいこと言ってねえぞ」

「お前ら一人一人に、6万回、一人一人に愛してるって言いに来たんだ」

 

 

ここまで書いて、マジで文字に起こすものではないなって思った。彼の言葉は彼の声と会場の雰囲気と、彼の本気さでもって意味を成すから、ほんとに難しい。

 

そしてこの時の私は言うまでもなく、心に刺さりまくって、6万人分の1だったけど、それはもう号泣していた。

 

あ!い!と!へ!い!わ!

ラブ!アンド!ピース!

ラブ!アンド!ピース!

(このコールがわからない人はサンボマスターのライブに行ってください)

 

「これ終わったらクソみたいな毎日が始まるんだろ?クソみたいな学校、クソみたいな大学、クソみたいな上司、クソみたいな会社。でもクソなのは毎日であって、お前らじゃねえんだ。お前はクソじゃねえ」

「クソな場所を居場所にするなよ。お前らの居場所はここなんだよ」

 

 

泣きすぎて過呼吸で死ぬかと思った。

正直転職期間中っていうか、次の仕事決まってて、始まるまでぼんやりしてるニートメンヘラ(私)には、始まる社会生活なんてまだ先の話なんだけど。

それでも、過去の辛かった色々や、悲しかった色々や、言い表せない事が思い出されて。("思い起こされて"?なんて書けば上手く言えるのかわからない)

でも、いまこの瞬間、山口さんの言葉を聞くために生きてたんだと思えた。

それだけで、当時の辛かった悲しかった寂しかったじぶんが、少しだけ救われた気がした。

 

「泣いてんじゃねえぞ、笑え」

 

見えてんの?メンヘラへの個人アドバイスやめてください。いや、それだけ六万人のうちの分子が泣いてたってことだと思うんだけどね。

メンヘラは自分に向けられてると思うの得意なんですよ。

 

 

 

大丈夫?山口さんのことよく知らないけどマジでめちゃくちゃ心配になるよね。

懐が深いし愛と平和だし包容力がパネエのでは?と思わせる発言、

それメンヘラ(私と私と私とあと、私)が取り憑くやつでは。

たくさんメンヘラ背中に背負ってるのでは。

でもね、もういいです。

私はサンボマスターのカスタマーになります。

もう何も言わないでください。

好きです。

 

当日サングラス(度が入ってない)しててよかった。

度が入ったメガネしてたら多分ガチ恋だったよ。リアコだった。好きです。

最前行かなくてよかった。もし万が一私に体力がゴリラのようにあって、若さもあったら最前行ってたよ。多分ガチ恋だったよ。あぶねー。

 

要するに、愛と平和。

 

サンボマスターのライブ行こう。

山口さんからもらった宿題の「勝手に死ぬな」を頑張って、なんとか日常を頑張って、そしたら宿題頑張ったよってライブにえっちらおっちら足を運ぼう。

 

仕事以外で家を出ることって、言い表せないくらい辛いけど、山口さんのメッセージを受け取りたい。

ライブに行って、サンボマスターのファンしかいない空間で、サンボマスターに染まって、サンボマスターを浴びて、それで明日からまた、社会人生活を頑張ろうって思える、そんな人間になろうって思いながら、帰りの車の中でサンボマスターのアルバム買った。

 

木内さん、誕生日おめでとうございます。でした。

 

猫と犬と、7年前から片想いしてる、20個年上の人がいなくなったら、もういいやと思ってたけど、頑張ろう。